ガンが大腸の固有筋層まで達しているような進行がんの場合、根治を目指して開腹手術を行います。近年では内視鏡手術や腹腔鏡手術が進歩を遂げていますが、直接大腸の病変部を確認できる開腹手術に勝るものではありません。早期がんであっても、状況によっては開腹手術を行うこともあります。
結腸癌の開腹手術は難しいものではなく、腹腔鏡手術に比べると短時間で終える事ができます。また、開腹する事で直接状態を確認できるので、より正確な病期診断を行う事ができるほか、細かな切除が行えるメリットがあります。
結腸は50cm以上切除したとしても日常生活にあまり支障が出る事はありません。ただし、開腹手術ではキズが10cm以上となるため、腹腔鏡手術に比べると傷みが大きくなるほか、手術後の回復にも時間がかかります。
また、開腹手術をすると癒着(ゆちゃく)が起こりやすくなります。癒着とは臓器が手術時に外気と触れることでさまざまな刺激を受け、分泌液を出して組織同士がくっついてしまうものです。キズの回復に役立つものでもありますが、癒着がひどくなると腸閉塞を引き起こす事もあるため注意が必要です。術後に早く体を動かす事で腸の蠕動運動を促進し、不自然な腸の癒着を防ぐ事ができます。
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