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人工肛門をつけた後の皮膚のケア


人工肛門の周辺は皮膚障害が起こりやすい

 人工肛門をつけた後は、周囲の皮膚に「かぶれ」や「ただれ」が起きやすくなります。主な原因としては下痢便によるものや、装具を取り付ける粘着剤によるものがあります。下痢便は通常の便と異なり、活性化された状態の消化酵素を含む膵液や胆汁を含んでおり、それが皮膚に触れることで炎症を起こしてしまいます。下痢にならない事が一番ですが、起きてしまった場合は皮膚保護剤を周囲に塗るなどして便が皮膚に付かないように気をつけてください。

 ストーマ装具の粘着剤による皮膚障害は、主にアクリル系の粘着剤によって起こります。装具はたくさんの種類がありますので、粘着剤が自分の皮膚に合うかどうかも含めて、根気よく探すことが大切です。かぶれる場合は粘着剤の種類を変えるか、皮膚保護剤を用いた装具を選ぶようにします。また、数日間貼りっぱなしにしていたり、何回も貼ったり剥がしたりしても皮膚にとっては刺激となり、赤く腫れることがあります。


人工肛門をいたわってあげる

 人工肛門周辺は清潔にする事が大切ですが、消毒液を用いる必要はありません。人工肛門は粘膜でできているため、消毒液を使うことで逆に障害を起こすことがあります。日常の手入れは浴用石鹸を用いて周囲の汚れを落とし、水気をよく拭き取ります。人工肛門は普段装具に覆われているため、装具を外した際は人工肛門が空気に触れる時間をつくるようにします。

 また、入浴には新陳代謝や血行の促進効果があり、人工肛門にとってもよいことです。しかし、人工肛門が気になったり、湯を汚すのではないかと気になって入浴を控え、シャワーで済ます人もいます。お腹の内圧は浴槽の水圧よりも高いので、お湯が人工肛門から入ってくることはありません。ガーゼやタオルで人工肛門を軽く押さえるようにすれば安心して入浴する事ができます。