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大腸がんは早期発見・早期治療が大切です。大腸がんの原因、症状、検査、治療を知っておきましょう!



大腸がんの分類(深さ)


 ガン全般にいえることですが、ガンは進行度合いによって「早期がん」「進行がん」などと呼びます。これはガンがどれくらい深くまで到達しているかによって分類されます。大腸の壁は内側から順に「粘膜」「粘膜下層」「固有筋層」「漿膜」から成り立っており、大腸がんは粘膜から順に侵していき、進行するに従って徐々に粘膜下層、固有筋層へとガン細胞が浸潤していきます。さらに進行すると漿膜を破り、大腸からガンが露出する事になります。こうなってしまうとガン細胞が周囲に散らばるため、他臓器への転移の危険性が高まります。

 大腸がんでは、粘膜下層までのガンを「早期がん」、「固有筋層」まで達したガンを「進行がん」と呼んでいます。早期がんであれば内視鏡によって切除する事が可能ですが、進行がんになると大腸の部分切除など外科的手術が必要になります。
 ガンがどのくらい深くの層まで達しているかを表す言葉として「深達度」があります。日本では「大腸癌取扱い規約」によってこの深達度が6段階に分類されています(下表参照)。

≪結腸癌の分類≫

深達度記号 ガンがどの部分まで達しているか
1 m がんは粘膜内にとどまり、粘膜下層におよんでいない
2 sm がんは粘膜下層にとどまり、固有筋層におよんでいない
3 mp がんが固有筋層にとどまり、これを越えていない
4 ss がんが固有筋層を越えているが、漿膜表面には出ていない
5 se がんが漿膜表面に露出している
6 si がんが直接、他臓器に浸潤している


≪直腸癌の分類≫

深達度記号 ガンがどの部分まで達しているか
1 m がんは粘膜内にとどまり、粘膜下層におよんでいない
2 sm がんは粘膜下層にとどまり、固有筋層におよんでいない
3 mp がんが固有筋層にとどまり、これを越えていない
4 a1 がんが固有筋層を越えているが、さらに深くは浸潤していない
5 a2 がんが固有筋層を超えて、さらに深く浸潤しているが、他臓器に浸潤していない
6 ai がんが直接、他臓器に浸潤している

大腸がんの分類(形)


 大腸がんはその外観から早期がんであるかどうかを判断する事も可能です。このような分類を「肉眼的分類」といい、大腸がんは大きく6つに分けられます。ガン細胞が粘膜または粘膜下層にとどまっているものは「表在型(0型)」といい、早期がんに分類されます。表在型はさらに表面型と隆起型に分けられます。また、固有筋層まで浸潤した進行がんは「腫瘤型」「潰瘍限局型」「潰瘍浸潤型」「びまん浸潤型」「分類不能」の5つに分類されます。


表在型(0型)
<表面型>
 目立った隆起はなく、盛り上がっているか凹んでいるかで「表面隆起型」「表面平坦型」「表面陥凹型」に分類されます。

<隆起型>
 粘膜からキノコが出たような形をしており、茎にあたる部分があるかないかで「有茎性」「亜有茎性」「無茎性」に分類されます。

腫瘤型(1型)
 粘膜からガンが盛り上がるように突き出した形をしています。

潰瘍限局型(2型)
 進行がんの中では最も多いタイプのガンで、ガン性の潰瘍の中央がくぼんだ形をしています。

潰瘍浸潤型(3型)
 潰瘍限局型の次に多いタイプのガンで、潰瘍限局型が崩れて広がったような形をしています。

びまん浸潤型(4型)
 ガンの形がまとまらず、腸壁に広がったような形をしています。

分類不能(5型)
 上記のどのタイプにも当てはまらないタイプのガンです。