大腸がんの原因として、食生活の欧米化が深く関係してることがさまざまな調査で明らかになっていますが、それ以外にも複数のリスク因子が存在することがわかっています。大腸がんの代表的なリスク因子として以下のものがあげられます。
欧米型の食生活
欧米型の食生活とは高脂肪・低食物繊維の食生活のことで、日本では高度成長期以降に急速に食生活の欧米化が進んでいます。この食生活の変化とともに日本人に大腸がんが増えており、脂肪の摂取量が多い国ほど大腸がんの発生率が高くなることもわかっています。
私たちの体は脂肪を摂取すると、脂肪を分解・吸収するために胆汁酸を分泌します。この胆汁酸は腸内で二次胆汁酸となりますが、この二次胆汁酸に発ガン促進作用があるといわれています。そのため、脂肪の摂取量が多いとそれだけ大腸は二次胆汁酸にさらされるため、発ガンリスクも増加します。
潰瘍性大腸炎の慢性化
潰瘍性大腸炎とは腸内の粘膜に炎症が起こり、粘膜の一部が潰瘍化したり、ただれたりする病気です。この病気は発症するとなかなか治りにくい面があり、慢性化することも珍しくありません。この病気で注意すべきことは、慢性化すると大腸がんを合併しやすくなるということです。しかも、潰瘍性大腸炎から発症するガンの場合、悪性度の高いガンを発症しやすいという特徴があります。そのため、潰瘍性大腸炎の病歴が10年以上になる人は、年に一度はガンの発生の有無を検査するようにしましょう。
大腸ポリープ
ポリープとは良性の腫瘍の一種で、粘膜のある腸や食道、胃などに発生します。大腸ポリープでは8割ほどが直腸とS字結腸に発生します。ポリープは一般的に良性の腫瘍とされていますが、一部のポリープはガン化する可能性があるため、ポリープができやすい人にとっては大腸がんのリスクとなります。そのため、大腸ポリープの既往歴がある人は定期的な検診を受ける事をお薦めします。
大腸がんの家族歴
ガンは遺伝子の異常によって細胞が異常増殖する病気ですが、遺伝性の病気ではありません。ただし、家族などにガンにかかった人がいると、その血縁者にも遺伝子の異常が起こりやすい傾向があります。
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