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大腸がんは早期発見・早期治療が大切です。大腸がんの原因、症状、検査、治療を知っておきましょう!



直腸がんの手術が難しい理由とは


 直腸とは、大腸の中でも肛門と接する最後の部分であり、大腸全体が1、5mの長さがあるのに対し、直腸は15cmほどしかありません。直腸は狭い骨盤の中にあり、肛門括約筋や自律神経、膀胱、子宮、膣、前立腺などの泌尿器や生殖器に囲まれるように存在するため、直腸癌の手術は結腸癌の手術に比べると、ずっと複雑で難しいものとなります。

 癌の場所を示すため、直腸肛門部は上からS状部(Rs)、上部直腸(Ra)、下部直腸(Rb)、肛門管(P)の4つに区分されます。図を見てわかる通り、肛門に近づくほど肛門括約筋があるため、肛門に近い位置でガンが発生すると肛門括約筋への影響が大きく、術後に人工肛門になる可能性が高くなります。また、直腸周囲に存在する自律神経は排尿、排便、性機能をコントロールしているため、手術の際に傷つけたり切ったりすると排尿障害、排便障害、性機能障害などの重大な後遺症を引き起こす事があります。

 ガンの切除は再発や転移のリスクを少なくするため、正常な組織も含めて大きく切り取る必要があります。結腸のように長さに余裕がある場合は問題ないのですが、直腸の場合はガンの周囲の状況や、術後の状態を含めて細かな配慮をする必要があります。