人工肛門周辺の皮膚障害
最も起こりやすい障害のひとつであり、面板の粘着剤や消化酵素を含んだ下痢便などによって皮膚がかぶれたり、ただれたりします。発生してから治療するよりも、日常のケアに気を配って予防する事が大切です。
腸閉塞
手術の際に腹膜が傷ついたりすると、癒着(臓器から粘液が出て、組織同士がくっつくこと)が起こりやすくなります。これによって腸閉塞が起こることがあり、腸の内容物が通りにくくなる、またはまったく通らなくなります。完全に閉塞してしまうと激痛に襲われ、通過できない内容物が逆流して嘔吐することもあります。症状が改善しない場合は腸の内容物を管を挿入して取り除く必要がありますが、それでも治らない場合は手術をする必要があります。
人工肛門周囲のヘルニア
人工肛門をつくる際に腹壁の切開部分が大きすぎると、腹部に力を入れた際に隙間に小腸などが入り込むことがあり、人工肛門周辺が膨らんでしまいます。このような状態を人工肛門周囲のヘルニアと呼びます。このような状態になっても通常は腹痛や排便障害が起こることはなく、腹部の不快感や膨らみが気にならなければすぐに治療しなければならないというものではありません。
腸脱出
上記のヘルニアと同様、腹部に力を入れた際に腸が飛び出してくるものですが、ヘルニアのように腹部の中から盛り上がるのではなく、人工肛門としている腸管が裏返しになって飛び出すものです。腸脱出で排便障害が起こることはあまりありませんが、腸管が飛び出しすぎると人工肛門に装着する装具が合わなくなり、無理に装着すると腸管を傷つけてしまう事になります。外科的手術によって人工肛門の位置を変える治療が必要になることもあります。
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