本文へスキップ

大腸がんは早期発見・早期治療が大切です。大腸がんの原因、症状、検査、治療を知っておきましょう!



大腸がん手術後の食生活と運動


手術後の食生活について

 大腸がんの手術後の食事は、胃がんのような厳しい食事制限は必要なく、基本的には何でも食べれます。ただし、手術後しばらくは大腸に負担をかけないよう、食事内容に気をつける必要はあります。

 食物繊維の摂取が少ない人は大腸がんのリスクが高まるとされていますが、手術後は逆に大量摂取しないように気をつけます。腸の手術後は癒着を招きやすく、食物繊維の多い食品や消化しにくい食品を多量に摂取すると腸閉塞や腸管の通過障害を起こす事があるからです。

 ただし、食物繊維には腸内環境を整える大切な働きがあるため、適量摂取を心掛けるようにしましょう。また、不規則な食事や偏食は排便を不規則にし、便秘や下痢、頻便の原因になります。便秘や下痢は腸管に負担をかけることにもなり、人工肛門をつけている場合は、下痢によって装具を傷めたり、皮膚を傷つけることにもなります。規則正しくバランスのとれた食事を心掛けましょう。


手術後の運動について

 手術後は腹部をかばうあまり、運動に消極的になりがちです。特に人工肛門を装着した人は、人工肛門に装着する袋をつけたまま運動する気になれず、運動から遠ざかってしまいます。たしかに術後2ヶ月程度は傷口が治るまで無理できませんが、その後は体を動かしたほうが体にとってよいことがたくさんあります。

 体を動かすことは入院中に落ちた体力や筋力を蘇らせたり、胃腸の働きを活発にするため、下痢や便秘の予防になるほか、傷口の治りをよくする効果もあります。そして何より、元気に体を動かせることが心の自信にもつながります。「運動」というと腰が重くなりがちですが、体を動かすものであればウォーキングでも散策でも魚釣りでも構いません。自分が楽しく長く続けられるものを行うようにします。

 人工肛門をつけている場合は、汗をかくことでストーマ袋の粘着剤が剥がれたり、ずれたりして便が漏れるのを防ぐため、テープで補強したり、しっかり接着できるストーマ袋を選ぶようにします。ただし、お腹に力を入れるような運動は負担となりますので避けるようにします。お腹に力の入る運動としては、重量挙げ、鉄棒、柔道、空手、相撲、レスリング、ラグビーなどがあげられます。