大腸がんの手術後に気をつけることは切除部位や患者さんの状態によってさまざまで、退院前に医師や看護師から生活上の注意点などについて説明があります。わからない事や不安な事があれば、その場で聞いておきましょう。退院後すぐに元の生活に戻れる訳ではなく、激しい運動は避けるようにし、退院後3〜10日ほどで軽い作業等が行えるようになります。体力は1ヶ月ほど経つと元の状態に戻りますが、人工肛門をつけた人は腹圧がかかるのを避けるため、重い物を持つなどの重労働は避けるようにします。
大腸がんの手術後には、やはり排便の状態が気になります。腸管の切除を行った場合は少なからず大腸機能を失っているわけですから、便がどのような状態で出てくるのか注意が必要です。また、腸管を切除しない内視鏡によるポリープ切除の場合でも、切除部分が薄くなっているために腸壁が破れる恐れがあります。破れた場合はポリープの切除部分から腹痛が起こり、歩くと痛みが強くなったり、出血することもあります。
以上のことから、退院後は腸への負担は極力避けるようにし、便がかたい場合は無理に力まず、便を軟らかくする緩下剤(かんげざい)を服用するようにします。また、暴飲暴食や早食いは下痢の原因にもなります。下痢になると便が頻繁に出ることになり、腸管にも負担がかかりますので、腹7〜8分目のバランスのよい食事を1日3回規則正しく摂るようにして下さい。
そして、退院後もっとも大切な事は医師の指示に従って定期的な受診をすることです。術後の経過観察はもちろんのことですが、再発の早期発見のためには非常に重要な事です。特にポリープや大腸がんができた人は再発のリスクが高い傾向にありますので、早期発見に努めるようにしましょう。
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